業務と看護

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私の仲の良い友人の妹さんが看護師さんです。
友人からよく彼女の話を聞くのですが、ある時友人がこんなことを言いました。
「妹はね、業務と看護っていう言葉を使い分けてるみたいやねん。
お薬を出したり事務的な作業をこなしたり、っていうのは業務って言い方をするし、患者さんに向き合ってケアしたり、お休みの日にでも様子を見に行ったりするのは看護やねん。
それって、私たち音楽家にも共通するものやと思わへん?」

音楽家の端くれの私たち、ピアノを教えたり自分が演奏したりで日々の糧を得ています。
大好きなことと仕事との境目が曖昧ではありますが、基本的にお仕事として責任をもって演奏し、レッスンし、その対価としてギャラをいただく。
そうやって生きてます。

だけど、
「この人と演奏できるならお金なんてどうでもいいねん!」
という演奏上のパートナーも少しずつ増えてきて、そういう人たちとは、自分たちの勉強のために一緒に演奏する機会を作り、レパートリーを増やしていってます。
まさに、私たちにとっての「看護」。

そういう「看護」の友、「デュオ・マトリョーシカ」として今年3月にリサイタルを開いた友人と、この秋デュオコンクールに挑戦していました。
今年のコンクールのテーマがどうもロシアらしく、課題曲が全てロシアにちなんだ曲だったこと。
1次予選、2次予選の課題曲がたまたま私たちのレパートリーだったこと。
自分たちがやってみて連弾の難しさを思い知ったので、いろんなデュオの演奏を間近に聴いてみたかったこと。
あと、ビビリの私は、1人ではおっかなくてなかなかコンクールを受ける勇気が出なかったこと(笑)。
そんなこんなの理由で、「かやぶき音楽堂デュオコンクール」という南丹市で2年に1度開かれている連弾と2台ピアノのみのコンクールに初挑戦。

昨日本選で、課題曲のブラームスの「ロシアの思い出」より2曲、自由曲は中田喜直さんの「日本の四季」より3曲を演奏してきました。
結果は1位無しの2位!
発表前に「1位無しの2位にするか、2位無しの1位にするか悩んだけれど、1位を取ると今後このコンクールを受ける権利がなくなってしまう」と審査委員長がスピーチしていたのがまさか自分たちのことやなんて、と正直ビックリでした。

このコンクール、予選も本選も、演奏直後に審査員全員からその場でコメントを言ってもらえるのですが、予選では審査員一人一人のコメントがあまりにバラバラ過ぎて、ちょっとウケて。
結構けちょんけちょんに言われたのに2次予選も通り・・・。
本選では、審査委員長が
「僕はこの曲(中田喜直さんの曲)を何百回も演奏会で弾いてきた。
だけど、あなた達の演奏は面白かった」
と言っていただけたのがなにより嬉しかったです。

ブラームスについても、
「課題はあるにしても、誰かの真似ではなく、自分たちの頭で考えてそれを形にしているのが良かった」
という感想。
お互いが意見を出し合ってなんとかその一致点を見つけ、でもそれぞれの音楽性が大人しくまとまりすぎるのではなく、きちんとバトルできるように、と必死で合わせをしてきたことが伝わったんやなぁ、と。

最近私が取り組んでいたのが歌の伴奏と弦楽器とのアンサンブル。
何をどうすれば良い演奏になるのか、毎回めっちゃ悩みまくり。
「伴奏にあまりにピタッと付かれると、歌はかえって歌いにくいのよ」
「一人一人がもっと積極的に弾いた上で、なおかつ調和を目指すべき」
と、いろんな方からアドヴァイスをいただいたものの、それを実感すること、実行すること、どちらもものすごく難しいです。
だけど、今回の本選の曲で久しぶりにプリモ(高音域)を担当して、ピタッと付かれると苦しいというのを実感。
この感覚、絶対に今後の自分の演奏に活かしていきます!

受賞者コンサート後にパートナーと
かやぶき音楽堂デュオコンクール

受賞者コンサート後、審査員やスタッフの方々と受賞者とでレセプションがあったのですが、そこで突然審査員ご夫婦による演奏が始まり・・・。
2台ピアノ用に編曲されたドビュッシーの「海」。
美味しいフレンチを食べながら、ストーブや白熱灯の温かな灯の中で聴く演奏は、極上のひとときでした。
クラシック音楽って、きっとヨーロッパのこういうサロンの空気の中で受け継がれてきたんやろうな、と。
とびきり素敵な時間で締めくくられた私たちの怒濤の日々。
幸せな気分で今日から日常に戻ります!




このコンクール、いろんなスポンサーがついていて、予選・本選ともに出場者は昼食にパンが配られたり、本選出場者には八つ橋や千寿せんべいを頂けたり、レセプションではすんごく美味しいフレンチのバイキングがあったり、となんだかアットホームな感じで、2位の賞品の1つが高級羽根布団!
私は車で行ったので自分で持って帰ってきたのですが、私のパートナーと、あと関東から来ていた2台ピアノ部門の2位の男の子達は送ってもらうことにして、着払いの伝票を書いてました。
で、その男の子達の片方が、何やら困った顔をしてるので話を聞いてみると、
「これって布団代も僕らが払わないといけないんですか???」
と(笑)。

いやいや、これ、賞品やから!
払うのは送料やって!
布団代まで払うって、一体どんな悪徳商法やねん!

私の連弾パートナーもたま〜に私以上にのけぞりそうな位ぶっとんだことを言うのですが、ここにもお仲間がもう一人!
久々に大笑いさせてもらいました。


あと、レセプション終了後に審査員のハンガリー人のご夫妻とロシア語で話す機会があり、
「どこで勉強してたの?」
「何年ロシアにいたの?」
と色々質問攻め。
私がモスクワ音楽院に6年いたと言うと、
「どこに住んでたの?」と。
で、「寮です」と答えると、
「えぇ〜っと、寮の住所何だっけ?」と。
なんでそんなこと訊きはるんやろ〜?と思いつつ、
「マラヤ・グルジンスカヤ 22/24です」
と言うと、ご夫妻そろって
「あぁぁぁ〜!」
と大爆笑。

どうも、モスクワ音楽院の寮の酷さは、ハンガリーでまで悪名高いようです(笑)
そこに6年間住んでた私はエライ!


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