母の思い出に
私は、まさか自分が本番翌日の朝7時半に起きれるとは思ってなかったので、日食グラス買ってなかったのですが、なぜか6時過ぎに目が覚めてしまい・・・。
頑張って木漏れ日に目を凝らしてみても、なんだかイマイチよくわからん間に日食終了、です。
残念!
でも、早起きしたおかげで、朝からわんこと窓辺でひなたぼっこしたり、庭の草抜きをしたり、お茶をた~っぷり飲みながらメールを書いたり、とほんわか穏やかな朝を過ごせました。
こんな気持ち、久しぶり。
演奏会の緊張感がないと人生物足りないと思いますが、こういうほわんとした時間もなきゃですね。
昨日は歌笛堂さんでの演奏会「Nostalgie~母の思い出に」にたくさんのお客さまが来てくださいました。
本当にありがとうございました!
母の命日は5月19日。
しばらく前からご近所さんがお花を持って来てくださったり、命日当日にはいろんな所からお花が届いたり、メールをいただいたり。
「あぁ、あれから一年経ったんやなぁ」
と思うと、不思議な気持ちです。
去年の今頃の私の記憶がはっきりしてるのが、5月13日から。
そこからお葬式までのことは、この一年、何度も何度も反芻するように思い出してきました。
でもやっぱり、一年経って同じ日に噛みしめるように思い出すのはそれとは全く違う。
「去年の今日はこうしてた」と思い出しつつ過ごした命日までの日々は、なんだか一歩ずつ死に近づく過程を再体験しているようで、結構辛かった。
一周忌を何事もなく過ごしたくなくて、ちゃんと自分の中でひとくぎりつけたくて企画した今回の演奏会でしたが、最後の数日は、ほんと、こんな計画立てなきゃよかった~、何度も思いました。
でも、母を知る方々も集まってくださって、温かい空気の中で演奏していると、
「やっぱり今日にしてよかったんやわ」と。
チャイコフスキーの四季を全12曲弾き、アンコールはショパンのワルツ3番、a-moll。
私が生まれてきた時に病院でかかっていた曲で、今回はこれ以外のアンコールは考えられませんでした。
でも、弾き終わって裏にはけたら、友人が大泣きしながら来てくれて、びっくり。
他にも何人か泣いておられた方がいるらしい・・・。
私、泣かせるつもりはなかったのに。
ごめんなさい。
ソロで本番の舞台に立つということは本当に厳しく、これってきっと経験してみないとわからないタイプの孤独感。
舞台に出れば自分独り、誰も助けてくれない。
その厳しさに慣れなきゃ、とずっと思ってきました。
もちろん、そうなのですが、今回わかったのは、亡くなった人となら舞台の上でも一緒にいれるんや、ということ。
アンコールを弾いている間は、限りなく母と近かったです。
こんな風に感じられたのは、きっと歌笛堂さんという場所のおかげかな。
四季を全曲弾いたのは今回が初めてで、普段だとあり得ないような想定外のハプニングもあったり、とこれからまだまだ練り上げるべきことが満載ですが、チャイコフスキーにピッタリの音色を持つ楽器で、お客さんの息遣いまで聞こえそうな空間で演奏できて、本当によかった!
今回は、お客さんのためというよりは、私自身のためにどうしてもしたかった演奏会。
課題はいっぱいではありますが、自分の中で、この一年分の思いを昇華できたような気がしています。
来てくださったお客さま、歌笛堂の店長さま、お手伝いに来てくださった方々、そして普段から支えてくれている人たちに、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いいたします!