想い

Posted by музыка on 25.2014 コンサート   0 comments   0 trackback
時間が経つのは早いもので、もう2週間前のことになりますが、この夏最後の山場だったチェロリサイタルの伴奏が終わりました。
来てくださったみなさま、お手伝いをしてくださったみなさま、どうもありがとうございました!
思いがけない再会もあり、初めましての出会いもあり、ととても良い時間を過ごさせていただきました。

私が演奏したのは、今回が初演の作品とベートーヴェンのチェロソナタ第3番。
ベートーヴェンは、最後の最後まで、本当に難しかった!
今年は私にとってはベートーヴェン・イヤーで、ヴァイオリンソナタ第8番、ピアノトリオ第3番、そしてこのチェロソナタを弾いています。
この3曲の中ではチェロソナタが最も作品番号が遅く、その分すごく内容が充実している感じ。
練習していても本番で演奏していても、ほんまええ曲やなぁ、と実感。
やっぱりベートーヴェン大好きだ〜。

最終楽章は音がシャンパンの泡のようにシュワシュワと弾け、そこにミントの爽やかな香りが加わるようなイメージ。
なのに、指が絡まりそうなパッセージをチェロを邪魔しないように弱音でコントロールするのは、超大変。
死ぬまでにいつか、人生の余裕をもってこのシュワシュワな爽やかさを表現できる日が来るといいなぁ、と思います。

作品の重さ的には、おそらくベートーヴェンがこのリサイタルのメインだったと思うのですが、私の中では作曲家の岡村星見さんが映画「おおかみこどもの雨と雪」に感動して作ったという新曲がメイン!
なんせ、私は初演に関わったのが生まれて初めて。
おまけに、曲が超、超、超私好み(笑)
もう、譜読みの段階から作品に惚れておりました。

とはいえ、練習段階では頭の中は???でいっぱい。
合わせをして納得することもあれば、余計に疑問が深まる点もあり。
「私はちゃんと作曲家の意図を汲み取れているんやろうか?」
「この部分は一体どうやって弾けばええんやろ?」
「曲間の間の取り方はどうしよう?」
そんなハテナ?をいっぱい抱えて、作曲家立ち会いの合わせの日を迎えました。

作曲家が何を考えてその音符を書いたのかなんて、普段クラシックの曲を演奏している時には想像するしかありません。
もちろん、そうやって想像するのが楽しいプロセスでもあるのですが・・・。
だけど、現代曲って、作曲家からリアルタイムで説明が聞ける!
それってめちゃめちゃ面白い経験でした。

「その休符はどうしても必要なんです」
「ここからは別世界のような音が欲しいです」
というような細かな指示があるかと思えば、
「そこは6拍にするか7拍にするかで迷って6拍にしたので、もし弾きにくければ7拍にしてくださっても構いません」
「別にそこは好きに間を取ってくださって大丈夫ですよ」
というようなアバウトな部分もあり。
「あぁ、きっと今はクラシックとされている作曲家の作品達も、リアルタイムで仲間といろいろな議論や相談のやりとりをしつつ完成されていったんやろうな」
と思いを馳せると、なんだかクラシック音楽がぐ〜んと身近になってくる感じです。

合わせの度に、そして本番の時も、作曲者の岡村さんは演奏が終わると必ず涙ぐんでおられて、作品を生み出すということ、そしてその演奏を他人に託すというのは大変なことなんやなぁと、彼女の涙から実感しました。
作曲家の心の奥底の一番大切なものを譲り受け、それを今度は私達演奏者がお客さんの心にそっと託す。
そこに関われたこと、本当に幸せに思います。

楽譜に書かれた指示に隠された作曲家の想い。
何気なく見過ごしてしまっていることもあるけれど、たった一つの音がどれだけの重みを持つのかを実感した本番となりました。
この感覚を忘れずに持っておかなきゃ!




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